ここでは、主に初心者向けに分かりやすく海外ETFの仕組みから米国株についても解説します。
為替リスクがありつつも、グローバルに分散投資が可能なETF。
興味のある方はぜひご一読ください。
ETFとは
ETFは、Exchange Traded Fundの略で、日本語で上場投資信託と言います。
株式市場に上場している投資信託の事です。
ETFは、日経平均株価やS&P500指数などのベンチマークに連動するように運用されています。
・ベンチマークとは:ベンチマークの本来の意味は、「指標」や「基準」です。投資の世界では、ファンド(投資信託)が運用の指標としている基準がベンチマークという言葉で表現されます。例えば、ファンドが1年で10%の損を出してそれが良いか悪いかを判断する時、ベンチマークと比較します。ベンチマークが15%下がってしまっていたら「ベンチマークを上回った」と判断します。
投資信託の仕組み
投資信託とは、広く人々からお金を募り、それを複数の株式や債券などに投資して得た収益を分配してくれる金融商品です。
複数の株式、債券を組み込んだ商品が豊富なので、グローバルに分散投資をすることが可能です。
分散投資であれば、万が一マイナスの商品が出ても、プラスの商品で補うことができます。
ただ、為替相場変動により額が減ってしまう為替リスクがあります。
そういった為替変動による損失を打ち消す為替ヘッジを取り入れている投資信託もあるので、リスクをケアしたい人はそのような投資信託を選ぶのもよいでしょう。
米国株は高配当株が多い
米国企業は株主に対する還元意識が高いため、米国株は高い配当金を出している銘柄が多いという特徴があります。
日本株では、日本企業の多くが株主優待などで株主に還元しているのですが、米国企業は配当金で還元してくれるのですね。
一般的に、米国株の配当金は年4回、決算されて支払われます。
日本株は概ね決算後の1回~2回である場合が多いので、高い配当金を年4回受け取れる米国株のほうが圧倒的に魅力的です。
また、米国企業には連続増配企業が多数存在する事も特徴です。
コカ・コーラやP&Gなど、およそ60年の連続増配年数を誇る企業などが挙げられます。
日本企業では花王が32年間の連続増配になりますが、米国企業はその倍という長さです。
高配当な海外ETF
それでは、高い分配金がもらえるランキング上位の海外ETFをご紹介します。
S&P500とは
まず、S&P500はアメリカのETFのベンチマークです。
アメリカの株式市場で売買されている代表的な500社の株価から算出されています。
S&P500が上昇すればETFの値が上がり、下落すれば値が下がることになります。
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF
SPDRポートフォリオS&P500 高配当株式ETFは、State Street社が運用するETFです。
S&P500指数の銘柄の中で、配当利回りが高い80銘柄に投資する仕組みです。
SPDRポートフォリオS&P500 高配当株式ETFは、「S&P500高配当指数」をベンチマークとしています。「S&P500高配当指数」は配当利回りが高い銘柄を常に入れ替えています。
・分配金の利回り:4.70%(2021年8月時)と高めの数値
・金融・不動産セクターの銘柄比率が高く、景気の変動に影響を受けやすいのがデメリット
バンガード・S&P500 ETF(VOO)
バンガード・S&P500 ETF(以下VOO)は、バンガード社が提供するETFです。
VOOは、アメリカの代表的な企業500社の株価を指数化した「S&P500」に連動しています。
・アップル、マイクロソフト、フェイスブックなどのいわゆるGAFA企業の銘柄がメイン
・過去10年間で価格がおよそ4倍となっており、長期運用でリターンが得られる
・一株を購入するための値段が高いことがデメリット
まとめ
海外ETFであれば、安定して高い配当金を受け取れる米国株に分散投資する事ができます。
ただし、国内ETFよりも外貨の交換により売買手数料が高いという事、為替変動のリスク、また国内ETFのように分配金を再投資できない事には注意しましょう。