メティス(Metis)には要注意な4つの理由

アテナベストのメティスには要注意な3つの理由海外投資(実践ノウハウ)

香港の投資会社である「メティス」の代理店(紹介者)はとても多いです。この記事を読んでいるということは、あなたも勧誘を受けたことがあるのではないでしょうか?

ですが、よく調べもせずにメティスを契約するのは待って下さい。Googleなどで「メティス 評判」などと検索するとすぐに分かりますが、評判が良くありません。

今回は「メティスには要注意な4つの理由」について詳しくお伝えしていきます。特にメティスを紹介されている方は、ぜひ最後までお読みください。

メティス(Metis)

メティス(メティス・グローバル・リミテッド、Metis Grobal Limited)はアテナベスト(ATHENA BEST FINANCIAL GROUP)の関連会社の一つです(厳密に言うと関連会社の子会社)。

メティスはギリシャ語で「英知」と「技術」の意味を持ち、ギリシャ神話の女神として知られているとのことです。詳しくは下記の公式ホームページをご覧ください。

Metis HK 公式ホームページ

メティスの詳細は以下の通りです。

・香港で登録を受けた信託会社
・信託会社サービスプロバイダー(登録番号:TC000561)
・監査法人:EY(アーンスト・アンド・ヤング)
・受賞歴:Bloomberg Businessweek(2019年〜2022年)
・さまざまな社会貢献活動を行っている

上記のように会社としての体制はしっかりしているようです。

ただ、設立してまだ数年しか経っていません。ホームページに設立年度が掲載されていなかったのですが、おそらく2017年と思われます。海外金融機関(信託会社)の中では、まだまだ歴史が浅いといえるでしょう。

そもそもメティスが作られた背景には、「アテナベストが自社および関連会社で利益を独占したい」という狙いがあります(雑な言い方ですみません)。

通常であれば、アテナベストのようなIFAは、海外金融機関(RL360、インベスターズトラストなど)の商品を取り扱い、顧客に紹介します。ただ、その分、海外金融機関に手数料が持っていかれてしますのです。

それならば「自社グループで海外金融機関を作ってしまおう。それならば利益を外に出さなくて済む」と考え、メティスを作りました。

これは企業としては当然の考え方なのかもしれません。ただ、このような構図になっていることで、後述するような顧客に対するデメリットができてしまったのです。

メティスの金融商品

続いて、メティスの金融商品について紹介していきます。メティスの金融商品には「積立型のインテリジェンス」と「一括型のブライト」があります。

インテリジェンス(積立型)

インテリジェンスの詳細は以下のとおりです。

積立期間:5~30年 ※1年単位で選択可能
契約者数:最大4名
契約可能年齢:18~75歳
積立年齢制限:満81歳の誕生日まで
初期口座期間:15~30ヶ月 ※積立期間により変動
支払方法:
 ・クレジットカード(VISA、Master Card)⇒香港ドル
 ・ユニオンペイ⇒人民元
 ・BSI香港内自動送金⇒香港ドル
 ・JPY銀行自動引き落とし⇒日本円
 ・海外送金⇒日本円、米ドル、ユーロ、香港ドル、オーストラリアドル、人民元
 ・積立通貨:日本円、米ドル、ユーロ、香港ドル、オーストラリアドル、イギリスポンド、スイスフラン
 ※支払方法によって積立通貨が決まる
積立頻度:月払い、四半期払い、半年払い、年払い
最低積立金額:日本円:30,000円、米ドル:300ドル ※積立年数が10年未満の場合は上記金額の2倍になる
プラン最低維持額:3,000ドル ※他の通貨は同等額
減額:初期口座期間終了後に申請可能
取り崩し:初期口座期間終了後、プラン最低額を維持することを条件に申請可能
積立停止:初期口座期間終了後、プラン最低額を維持することを条件に申請可能
解約:いつでも申請可能 ※初期口座の時価総額に対して解約手数料がかかる

また、インテリジェンスの手数料は以下のとおりです。

プラン費:7米ドル ※他通貨は同等額を毎月徴収 
初期口座管理手数料:初期口座の時価総額×0.4%を毎月徴収
管理手数料:時価総額×0.12%を毎月徴収
信託報酬:貯蓄口座の時価総額×1%を年に一回徴収
クレジットカード手数料:1% ※AMEXのみ3%
一括投資手数料:一括投資額×5%

また、インテリジェンスのボーナスは以下のとおりです。

初期ボーナス:初期口座期間の積立金×ボーナス率 ※積立金額と積立年数によって変動する
ロイヤリティボーナス:(直近5年間の積立金額-取崩金額)× 1% ※10年目から5年ごとに発生する
プラン費還元:プラン開始から10年間、積立金の滞納および停止がなかった場合、今までに支払ったプラン費が貯蓄口座に還元される ※契約年数が10年以上の場合に適用される

上記の詳細を見てピンとこない人も多いと思うのですが、結論から言うと普通の海外積立商品という感じです。手数料が安いわけでもなく、ボーナスが多いわけでもありません。悪い積立商品ではないですが、特別な商品というわけでもありません。

ブライト(一括型)

ブライトの詳細は以下のとおりです。

契約者数:最大4名
契約可能年齢:18~80歳
支払方法:
 ・ユニオンペイ⇒人民元、日本円
 ・JPY銀行自動引き落とし⇒日本円
 ・海外送金⇒日本円、米ドル、ユーロ、香港ドル、オーストラリアドル、人民元
 ※支払方法によって積立通貨が決まる
最低支払金額:日本円:200万円、米ドル:20,000ドルなど
プラン最低維持額:1,000ドル ※他の通貨は同等額
取り崩し:初期口座期間終了後、プラン最低額を維持することを条件に申請可能
解約:いつでも申請可能 ※一定の解約手数料がかかる

また、ブライトの手数料は以下のとおりです。

設立費用:支払金額×0.63%を四半期ごとに徴収 ※プラン開始から3年間
管理手数料:時価総額×0.1%を毎月徴収
信託報酬:貯蓄口座の時価総額×1%を年に一回徴収
クレジットカード手数料:1% ※AMEXのみ3%

また、ブライトのボーナスは以下のとおりです。

ロイヤリティボーナス:時価総額に応じて管理手数料が免除される

要注意な4つの理由

メティスの金融商品であるインテリジェンスとブライトは特に悪い商品というわけではありません。それにも関わらず注意しなければならない理由が4つもあるのです。

理由① IFAをアテナベストから変えられない

一つ目の理由は「IFAをアテナベストから変えられない」ということです。

通常の海外商品(RL360、インベスターズトラストの商品など)であれば、運用会社であるIFAを変更することができます。「アテナベストが良くなければ、他社のIFAに乗り換える」という具合です。

ただ、メティスの金融商品はIFAをアテナベストから変更することができません。運用成績が良くても悪くてもアテナベストに任せるしかないのです。

メティスの紹介者は「運用の良いポートフォリオを選んでいるから大丈夫。いざとなればポートフォリオを変えればいい」と言いますが、通常の海外金融商品より制限があるのは事実です。

わざわざ制限がある金融商品を選ぶ必要はありません。「IFAをアテナベストから変えられない」というのは、やはり売り手側の事情があるのです。

理由② 手数料が安いわけではない

二つ目の理由は「手数料が安いわけではない」ということです。

「他の海外金融機関(RL360、インベスターズトラストなど)に手数料を払うわけではないからメティスは手数料が安いのでは?」と思うかもしれませんが、そのようなことはありません。なぜなら、メティスおよびアテナベストグループで、すべての利益を取ってしまうからです。

メティスの紹介者はネットワーカーも多いので、このことを詳しく説明してくれない業者もいるで注意するようにしましょう。

自社グループで展開している商品なので割安と思うかもしれませんが、手数料に関しては他の海外金融商品と同等と覚えておきましょう。

理由③ ポートフォリオは他社のもの

三つ目の理由は「ポートフォリオは他社のもの」ということです。

メティスにはいくつかのポートフォリオがあり、顧客はその中から選んで運用を行うことになります。

ただ、このポートフォリオは他社のものです(例:ブラックロックなど)。メティスが今までに運用してきた実績ではありません。「長期で良い運用実績のポートフォリオを他から持ってきた」ということになります。

そのポートフォリオが良ければ顧客にとっては良いことですが、IFA(運用会社)であるアテナベストが運用してきたわけではないため、どうしても不安が残ります。

商品などによって違うので一概には言えないのですが、業界内ではアテナベストは運用成績が良くないという評判があります

ちなみに海外投資では「平均7%」の利回りを残していると運用がうまくいっていると言えます。メティスのポートフォリオは良いものを持ってきていますが、アテナベストの運用自体はそれほどではないのが現状なのです。

理由④ ネットワーカーが多い

四つ目の理由は「ネットワーカーが多い」ということです。

メティスの紹介者はネットワーカーが多いです。金融のプロではないため、商品の詳細についてきちんと説明できなかったり、リスクやデメリットの説明が不足している場合があります

また、他の金融商品の提案をしてこない人も多いです。ネットワーカーなのでメティスしか紹介できないのです。

実際にこの記事を読んでいる方の中には、メティスを紹介された方も多いと思います。そして、おそらく他の金融商品を紹介されたわけではないでしょう。メティスしか紹介されていないはずです。

ネットワーカーは契約を取ることだけを考えて近づいてきます。すべての人がそうというわけではないですが、メティスの紹介者にはそのような人が多いのも事実です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

①IFAをアテナベストから変えられない
②手数料が安いわけではない
③ポートフォリオは他社のもの
④ネットワーカーが多い

という4つの理由から、やはりメティスはオススメできる金融商品ではありません。海外投資をするにしても、他の商品を選んだ方が後悔はないと思います。

もしあなたがメティスを勧められているなら、一度立ち止まって考えるようにしてください。

海外投資の被害に遭われた方へ向けて、「どうすれば被害から脱却できるのか」ということをメルマガで分かりやすく3ステップで解説しています。ぜひご登録をお願い致します!

タイトルとURLをコピーしました